希少モデル　ナショナル R-12

69年の万博前後にナショナルは結構奇抜なラジオシリーズを発売しました。
代表作が大型ホームラジオをそのまま寸法で1/3位に縮小したバナペット7で￥3980と言う当時としては手頃な価格もあって可成りのヒット作となりました。
小生の実家にも赤のバナペットがあり、小さなラジオでありながら、結構感度が良くニュースや音楽番組を聞かせてくれました。
その後ナショナルはバナペットクルンと言う愛称の腕輪の様な形モデルを出し、そのデザインの斬新さが大いに評価されてニューヨークの近代美術館辺で永久展示品となって居ます。
小生残念ながらこのクルンは手にした事がありません。バナペット7は過去5台程度は扱って居ます。古い乍らしっかりした造りで少し整備してあげれば昔の様な元気さで鳴ってくれます。
さて、このモデルですが、正確な販売開始は分かりませんが、ナショナルのワールドボーイGXOと同じカタログに出てきますから71年頃の発売かと思われます。
クルンよりは少し後で、こちらの黒以外にライトグリーンと赤のバージョンが有りました。
デザインの出所は車のスピードメーターで、当時のスポーツカーのダッシュボードにそのまま乗せても全く違和感の無い感じです。
中身はヒット作のバナペット7と殆ど同じで6cmアルニコスピーカーで0.25Wの出力と言う物でした。
残念ながらデザイン優先の為かパナペット7よりもフェライトアンテナは細く短くなって居て、結果として感度は多少落ちます。
円筒形のボディは意外な程強度が高く、
パワーは小さいのですが、可成りの音量が出ます。卓上で使うには充分なレベルです。
この個体は電源が入らないジャンクとして入手。調べると9V電池のアタッチメントの接触不良で、電気が通れば普通に鳴りました。
ガリは消してあります。
クリアカバー表面が経年劣化で黄ばみ、傷も多数有り、サンド、水ヤスリ、コンパウンドの順で可成りの磨きを入れましたが、完璧ではありません。
底面のスピーカー前に大きな穴が開いており、スピーカーの破損も疑いましたが、問題はありません。
穴の周囲はケガキで均しましたが穴自体はそのままです。
以上から美品とは言えませんが、非常に希少で、小生も今回初めて手にしたモデルですので、それなりの価値です。
動作品でお届け翌日、評価前の買い手責任外の不具合には対応致します。
電池はお付けします。

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