闘翔ボーイ 竜崎遼児 全9巻

少し全体に茶色く日焼けしています。

K1が誕生する前の先駆け的、異種格闘技マンガです。

モハメド・アリとアントニオ猪木の異種格闘技戦は、世紀の茶番劇と揶揄されましたが、異種格闘の原点とも言えます。

だから、このマンガの作者は猪木さんをモデルにしたと思われる海王を登場させたのだと思います。

このマンガに出て来るような異種格闘技戦があれば観てみたいなぁって純粋に思いました。

現在はどうかは分かりませんが、子供の頃、ムエタイが立ち技最強と言われていたんだとか、ローマのコロッセオに行った時には、ここで古代の異種格闘技が行われていて、目潰しとか急所の攻撃など、現在、反則とされてるような行為も認められていて、本当の殺し合いをショーにしていたんだとか、世界の武道の中で、実戦に向いている向いていないがあるんだとか、ボクシングや、空手、少林寺、プロレスなど、ジャンルの中での専門みたいなマンガはあっても、こんなあらゆる格闘技を同じ土俵に乗せるなんてマンガはありませんでした。

スケールの大きな格闘技の世界というものを感じさせてくれるマンガでした。

ムエタイの強さの秘密は膝の使い方など、技の部分もあるでしょうが、やはり、子供の頃から戦うしか食べていけない貧困と、逃げ出したくても逃げ出せず、勝つしか生きる方法がないハングリー精神が強さの秘密だったのかもしれません。

プロレスラーの藤波辰爾さんのドラゴン・スリーパーホールドは、このマンガに登場する骨法の首落としという技をヒントに生み出されたそうです。

海王が猪木氏、六車が前田日明氏、洞口が藤原喜明氏、カイザーがシーザー武志氏、アドルフベックがカールゴッチ氏と実在の人物を連想させる登場人物も魅力の一つかもしれません。

立ち技最強がムエタイなら、寝技最強は？！

格闘技好きには、中々、味のある作品だったと思います。

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