ピツェッティ　歌劇「大聖堂の殺人」　DVD

T・S・エリオットの詩劇『大聖堂の殺人』をもとにピツェッティが作曲した荘厳なオペラ、その初DVD化です。
時は1170年12月29日午後4時、夕べの祈りをささげていた大司教トーマス・ベケットは、4人の刺客によって殺害されました。カンタベリーの旅行記には必ず出てくる非常に有名な逸話のようです。

これを映画仕立てで素晴らしい映像に仕上げてあり、視覚的にも、また音響的にも素晴らしい出来栄えです。
南イタリア、バーリの美しいロマネスクの聖ニコラオス大聖堂を使っての演奏と、ドーヴァー海峡を思わせる暗い海、馬に乗ってやってくる４人の騎士、ヘンリー２世のイメージ等々が挿入されます。筋立てそのものも緊張感あるドラマではありますが、それをより力強くドラマティックに仕上げてある点は特筆もの。

トーマス・ベケットを演じるのは、ルッジエロ・ライモンディで、滅多に上演されないこの作品を何度となく演じており、このオペラの細部を知り尽くした最高のキャストと言えます。高身長の堂々たる体躯、その存在感、朗々とした歌声にはしびれるばかり。
（ついでながら、このライモンディと、ついでにエリオットのファンでもある私としては嬉しい限り）

実はこのDVDを長らく探しており、HM◯にも発注をかけましたが2ヶ月ほど待たされた挙句、注文不可とのことでキャンセルになってしまった経緯があります。
この作品を1958年にピツェッティがスカラ座で初演した時には、かのエリオット自身が祝電を打ったのだとか。またカラヤンもこのオペラをCDに残していますが、映像化馬これが初めて。

本作品、日本語字幕がなく、普通は英語字幕で見ることになろうかと思いますが、20世紀イタリアで活躍したピツェッティのこの作品、イタリア近代オペラを知る意味でも、ぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか。

なお、一度人手に渡ったものですので「目立った傷や汚れなし」としていますが、盤面は新品同様かと思います。

#ルッジェロ・ライモンディ #大聖堂の殺人
#寺院の殺人　#ピッツェッティ

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